ボツリヌス治療
当院では2000年より専門外来を開設し、現在まで多くの患者さんの治療に当たってきました。
さらに従来のA型毒素に加え、2013年より新たにB型毒素での治療も認可され治療の選択肢が拡大しています。
現在当院では、痙性斜頸、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、上下肢痙縮へのボツリヌス治療をおこなっています。
以下、各疾患についてご説明します。症状などでご相談がありましたら、火曜日午後ボツリヌス治療外来の受診をお願いします。
痙性斜頸
頸部ジストニアとも呼ばれ、大脳基底核の機能異常が想定されています。
精神的ストレスや薬剤、肩こりなどで誘発される場合があります。頸部筋群の異常な収縮による頭位の偏倚が主な症候です。
頭位を正常に維持することが困難な場合が多く、頸部痛を伴うこともあります。
ボツリヌス治療は現在最も推奨される治療法で、早期での治療開始が重要とされています。
また従来のA型に加え、2013年よりB型毒素も認可され治療の選択肢が拡がっています。
眼瞼痙攣
局所性ジストニアの一つで、痙性斜頸と同じ原因が想定されています。症状は両側眼輪筋等の過活動により、過剰に瞼が閉じてしまう事です。瞬きが多いことや光が眩しいなども特徴的な症状とされています。
片側顔面痙攣
顔面神経起始部における血管による神経の圧迫が原因と考えられています。片側眼輪筋より始まり、徐々に片側顔面全体の持続性痙攣へ移行します。各国の治療ガイドラインではボツリヌス治療が第一選択で高い有効性を示しますが、根治的には外科的治療が必要な場合もあります。当院では脳神経外科とも連携し、状況に応じ最適な治療法を提示しています。
上下肢痙縮
脳卒中や頭部外傷、脊髄損傷によりおこります。この疾患はリハビリテーション科との連携が必要なため、当院では中村記念南病院で対応しています。