上斜筋ミオキミア-微小血管減圧術
上斜筋ミオキミアはどんな病気?
上斜筋ミオキミアは、片側の目が自分の意志とは関係なく回転する病気です。物が上下、左右、前後に動いて見えたり(動揺視)、二重に見えたり(複視)、めまいがして、目を開けられなくなったりします。
当院での治療センターはこちら。
上斜筋ミオキミアの原因は?
脳の血管が、滑車神経という神経を圧迫することにより起こります。
上斜筋ミオキミアの診断は?
神経眼科を専門とする先生の診断が必要です。
MRI検査にて、滑車神経と血管との関係を調べることによってわかります。当院では、『誰もがわかる最新の画像』を作ることができます。外来で20分程度の検査です。(狭い場所が苦手な方は、個別に対応しますので安心してください。)
上斜筋ミオキミアの治療は?
上斜筋ミオキミアは治療をしなくても、命に関わることはありません。しかし、社会生活に支障が出るようになった場合(車の運転中に突然視界が悪くなったり、めまいがして歩けなくなったり・・・・)には、治療が勧められます。
初期の場合には、内服薬や点眼薬による治療がなされますが、これらは神経の圧迫を解除する治療ではないため、全快にはつながりません。根本的治療は、滑車神経を圧迫している血管を神経からずらすことです。手術は全身麻酔で行います。後頭部(耳の後ろ)の骨を一部外し、そこから顕微鏡を使って、滑車神経と血管を実際に見て、慎重にずらします。ずらした血管が再び神経に当たらないようにします。
この手術は、1980年にドイツのSamii先生が最初に報告されましたが、現在まで世界で7例の症例報告しかありません。この内4例は、当院神経眼科の橋本雅人医師の症例です。
当院では、2019年に1例目(左上斜筋ミオキミア)の手術を行い、術直後に治癒が得られ、再発することなく経過されております。その後、5名の方に同様の手術を行いましたが、いずれも術直後に症状が消失し、良好な結果が得られております。
当院の実績
この手術は1980年にドイツのSamii先生が初めて行いましたが、現在までに世界でわずか7例の報告にとどまっています。そのうち4例は、当院神経眼科の橋本雅人医師の症例です。
当院では、2019年に初めて左上斜筋ミオキミアの手術を実施しました。その患者様は術直後に症状が消失し、再発なく経過しています。2024年12月現在、当院で手術を受けられた8名全員が術直後に症状が改善し、良好な経過をたどっております。
上斜筋ミオキミアかな?と思われた方へ
当院では、神経眼科と脳神経外科が連携し、この稀な疾患に対応しています。症状が気になる方は、まずは神経眼科・橋本雅人医師にご相談ください。必要に応じて脳神経外科での精密検査や手術を行い、最善の治療を提供いたします。安心してお任せください。