脳血管内治療

脳血管内治療は、主に大腿部の付け根の血管から、カテーテルという細い管を挿入して、様々な脳血管障害を治療する方法です。
破裂脳動脈瘤や未破裂脳動脈瘤、頸動脈狭窄症、急性脳主幹動脈閉塞、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻など、多くの疾患が対象となります。

この治療は血管の中からの手術であるため、脳や神経に直接触れることがなく、低侵襲であることが利点です。
また、皮膚を切開しないため、頭部や頸部に傷の痛みや違和感が残らず、患者様の身体にも負担が少ないという利点もあります。

さらに近年は、脳塞栓症を引き起こした血栓を血管内から回収できる機器が発達し、これまでは救うことのできなかった重症の脳主幹動脈閉塞の患者様が、血管内治療により劇的に改善するなど、急性期脳梗塞治療に大きな変化がみられています。

このような治療機器の進歩や、治療技術の向上により、脳梗塞や脳動脈瘤治療のみならず、様々な脳血管障害において、血管内治療は益々多くの患者様に貢献しています。

中村記念病院では、常勤の脳血管内治療医が、急性期脳梗塞や、くも膜下出血などの緊急疾患に24時間対応しています。
また、これまでに約2000件の脳血管内治療を実施しており、他の病院からも多くの患者様をご紹介頂いています。

患者様により良い治療を行うため、脳血管内治療センターでは、高い専門性の求められるこれらの脳血管障害に真摯に向き合い、学術活動や研究にも、広く取り組んでおります。

脳血管内治療センター長
荻野達也(おぎのたつや)