医療への参加およびご協力について

当院では、入院なされた患者さんが、安全な入院生活を送れるよう、スタッフ一同細心の注意を払わせていただいております。しかしながら、日中夜間を問わず、全ての患者さんの安全をすぐおそばで見守らせていただくことはできないのが現状です。患者さんの安全を確保するためには、患者さん、ご家族の皆さんの医療への参加(ご協力)をいただくことが大切です。そのために、次の事柄についてご説明いたしますのでご協力をお願いします。


IDバンドの装着について

患者さん自身を特定するため、患者さんの名前等の情報が書かれた「ID バンド」を手首、または足首につけさせていただきます。手術、点滴、お薬、検査等の際に、IDバンドの確認が不十分な時は、ご遠慮なく確認を促して下さい。
※なお、装着にご同意を頂けない場合は主治医、または看護師にお申し出下さい。

病室・病棟の移動について

患者さんの病状等により、治療・看護・リハビリ等に適した病室・病棟へ移動していただくことがありますので御了承願います。

院内感染防止について

病院では、院内に常に存在したり、外部からの持ち込まれる細菌やウイルスなどにより、免疫力の低下している患者さんの病状を悪化させる危険性があります。感染予防のため病室への出入りの際は、入り口に設置してある消毒薬で手を消毒してください。

マスクも全患者様に装着をお願いしております。ご協力お願いいたします。

危険行為の防止のための身体拘束について

意識障害や認知障害がある場合は転倒・転落の可能性や点滴や挿入物を抜いてしまうことが考えられます。そのような状況においては、十分に検討した上で、安全対策として身体拘束を行わせていただく場合があります。さらに、身体を傷つけてしまう、おむつを触るなどの行為に対しても身体保護や衛生保持のためにやむを得ず身体拘束が必要な場合もありますので御了承下さい。

以下の場合

①切迫性
患者さん御自身や他の人などの身体が生命の危機にさらされる可能性が高い場合
②非代替性
身体拘束やその他の行動制限を行う以外に、代替方法がない場合
③一次性
身体拘束その他の制限が一時的な場合

身体拘束を行わなければならないときはご家族へ説明の上、同意書を取らせていただきますのでご協力お願いします。

転倒時の骨折について

最近の調べでは、在宅生活中の65才以上の方のうち1年間に約2割の方が転倒を経験し、一度転倒した事のある方はその後も転倒しやすい事がわかっています。さらに年齢を重ねるとともに転倒時の骨折の危険性が高まり、特に下肢の骨折はその後の障害につながりやすいとの事です。入院中の方についても、色々な転倒防止対策がとられているにもかかわらず、病室内、廊下、トイレなどの身近な場所でのご高齢の方の転倒を完全に防ぐことは出来ません。

脳や脊髄の病気による運動の障害のある方、ご高齢の方、転倒外傷で入院している方などは、転倒しやすく転倒時に骨折をきたしやすい状態にあります。ご自分で出来ないこと、許可させていただいていない行為をなさろうとする際は、スタッフに必ずお声をかけて下さい。また、運動の障害や転倒の経験のない方でも、病院内で転倒する可能性があります。転倒したり、そのために痛みがあったりした場合は、すみやかにスタッフまでお知らせ下さい。

入院後長期臥床となる方については、骨粗鬆症などが原因で、体位変換時に大腿骨骨折などが生じることもありますが、そのような場合には、迅速に対処させていただきます。御家族の皆様が気づかれる場合もありますので、その場合はすみやかにスタッフまでお知らせ下さい。

肺血栓塞栓症について

肺血栓塞栓症とは、肺の血管に血の塊等の物質(塞栓子)が詰まることによりおこります。肺の血管が詰まった結果、肺から血液に酸素を取り込むことが出来なくなり、呼吸困難になったり、心臓に負担がかかって心不全になったりします。死亡率も2?8%と高く、外科的手術に関連して発症した場合の死亡率は約20%とされています。

原因となる塞栓子の多くは、足の静脈にできた血の塊(深部静脈血栓)で、手術中、手術後の安静、脳卒中、脊髄疾患などにより歩行ができずベッド上生活が続くことや肥満、喫煙、脱水、ホルモン剤・経口避妊薬服用、高齢、妊娠、進行癌、下肢静脈瘤、静脈血栓既往などが誘因とされています。

当院では、肺血栓塞栓症を起こしやすいと判断される患者さんに対して、弾性ストッキング着用、下肢の自動運動、歩行を積極的に行うなどによる発症予防に努めています。
なお、息切れ、胸の痛み、呼吸困難などの自覚症状があればスタッフにお知らせください。ご不明の点あればお気軽にご質問下さい。

誤嚥について

脳血管障害(脳梗塞、脳出血)、パーキンソン病、認知症等の患者さんやご高齢の患者さんは嚥下障害やのどの神経や筋肉が正常に働かなくなっている場合があり、誤嚥により肺炎を起こしたり、また、気道が塞がれると窒息を起こすこともあります。

病状の変化について

ご高齢の方や長期臥床にある方につきましては適応力や免疫力の低下などから、環境の変化や発熱などが影響し、急な病状変化や命の危機に直面することがあります。 

オムツの使用について

病状によっては、当院指定のオムツを使用させていただく場合があります。使用した場合は、入院費と併せて請求させていただきますので御了承願います。

学会・論文活動・臨床試験参加などについて

当院では医療の最新知見を共有し患者さんの治療に役立てるため、学会、論文活動や臨床試験への参加などを行なっています。そのために患者さんの情報を用いる場合がありますが、個人情報が特定されないよう十分配慮しております。ご不明の点あればご質問下さい。 

納得の行く治療を受けるために

ご自分の病気についての知識を高めましょう。

医師、看護師他、職員と相談なさる際は、ご遠慮なく聞きたいことを聞き、わからないことはご質問下さい。

書面での説明をご希望される場合は、ご遠慮なくお申し出下さい。

入退院支援について、入院時から病状や退院後の生活を見据えて支援をさせて頂きます。