ボツリヌス(ボトクス)療法
ボツリヌス菌そのものを体内に注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。
ボツリヌス療法は世界80ヶ国以上で認められ、広く使用されています。
日本では、手足(上肢・下肢)の痙縮・眼瞼けいれん(瞼が下がってしまう病気)
片側顔面けいれん(顔の筋肉が収縮する病気)などにも認可され、これまで10万人以上の人がこの治療法を受けています。
中村記念南病院では、上肢・下肢痙縮(手足の筋肉のつっぱり)治療にボツリヌス療法を実施しています。
痙縮(手足の筋肉のつっぱり)について
痙縮では
・手指が握ったまま開きづらく(清潔にしにくい)
・肘が曲がり伸びづらい(着替えがしづらい)
・足先が裏側に曲がってしまう(歩くと痛い、装具などがつけにくい) などの症状がみられます。
痙縮により姿勢異常が長く続くと、筋肉が固まって関節の運動が制限されてしまう拘縮(こうしゅく)という状態となり、ご本人やそのご家族の皆様の日常生活にも大きな支障をきたしてしまいます。また、痙縮そのものがリハビリテーションの障害となることもあるので、痙縮を治療する事によりリハビリテーションの効果も上がります。
ボツリヌス(ボトックス)療法の効果について
ボツリヌス療法によって、こわばっている筋肉に直接お薬を注射します。
注射した筋肉のつっぱりや緊張をやわらげる事で、痙縮による痛みの緩和や日常生活の動作の制限などが軽減されます。
通常では、治療後4~5日で効果が現れ、またその効果は3~4ヵ月持続します。
※効果には個人差があります
ボトックスを使用する事で期待できる効果
ボツリヌス(ボトックス)療法の進め方について
まずは診察を行い、痙縮に対する治療方針と目標を設定します。
ボツリヌス療法は数ヶ月で効果は徐々に消えてしまうので、治療を続ける場合には、年に数回、注射を受ける事もあります。
またその間は継続的にリハビリテーションを行いますが、ボツリヌス療法を受ける事でリハビリテーションがより効果的になります。
ただし、治療効果や持続期間には個人差があるので、医師と相談しながら治療計画を立てていきます。
上下肢痙縮ボツリヌス(ボトックス)療法を希望される方へ
当院 リハビリテーション科 光増智医師が担当します。
ボトックス治療の御相談は 毎週 水曜日・金曜日 両日とも13:00~17:00のリハビリテーション科外来を受診頂き、適応のある場合、後日予約での施注となります。
ご不明の点がありましたら、ご連絡ください。
中村記念南病院 TEL 011-573-8555