| |
- 脳卒中の卒中とは「卒(突然)として中(あた)る」という意味の言葉で、脳卒中は文字通り、脳の血管の閉塞や破綻 (出血) が突然生じることによって起こる病気の総称です。欧米では、Stroke(ストローク)と呼ばれてきましたが、最近は日本語の表現と同様にBrain Attach(ブレイン・アタック)と言うようになっています。その理由は、心臓発作(ハート・アタック)と同様に、発症後数時間以内の治療の有効性か確立したからです。
- その昔、脳卒中は中気(ちゅうき)とか中風(ちゅうぶ)と呼ばれ、人々から不治の病として恐れられました。中気の『気』は、体の内部環境のようなもので、中気は、気が当たって倒れる病とされました。今でも気が病むことを『病気』、気が元通りなることを『元気』と言います。一方、中風の『風』は、体の外部環境の一つで、中風は、風邪に当たって倒れる病とされたのです。そして、風邪に当たった人は「中風病み」と呼ばれ、特別な治療を受けることもなく放置されて来ました。しかし、今日では、脳卒中で倒れた人々の多くが、直ちに病院に収容され、正確な診断と適切な治療とがほどこされています。
-
- 日本人の死亡統計をみると、それまで第1位だった脳卒中の死亡率は1970〜75年をピークに減少に転じ、今ではガン・心臓病について第3位となっています。また脳卒中の種類も、かつては重症の脳出血が多かったのに対して、近年では脳出血が軽症化し、脳梗塞が増加しています。脳出血の減少と軽症化は、国民の栄養状態の改善と高血圧症の管理がゆきとどいたことによります。一方、脳梗塞の増加は、食事の欧米化によって糖尿病や高脂血症が増えたこと、また高齢化が進み、心血管系の疾病(動脈硬化や不整脈など) が増えたことによります。脳卒中の死亡率は確かに減少してきましたが、脳卒中を発病する人々はけっして減少していないのが現状です。また、脳卒中の患者数は170万人と推定され、最大の要介護疾患と言われています。初期治療によって一命をとりとめたとしても、患者さんは大変なハンディキャップを背負い、精神的に落ち込んでしまうことがよくあります。しかし、いずれはその障害を受け入れ、残された機能を生かして、第二の人生を歩まなければなりません。
-
- 脳卒中という病気を一般の皆さんにご理解いただくために、病気についての解説をホームページ上で展開させていただきます。脳卒中の病状がどのようなものであるかお解りいただき、さらには脳卒中の予防にお役立ていただければと幸いに存じます。なお、このシリーズは「財界さっぽろ」誌上に連載されたものを転載しております。
|
|