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正常圧水頭症外来

特発性正常圧水頭症(iNPH)とは

 特発性正常圧水頭症(iNPH)とは、明らかな原因はわかっていませんが、60才以降に発症し髄液圧は正常範囲でありながら、脳室に過剰に髄液が貯留するのが特徴である水頭症のことををいいます。歩行障害、認知症、尿失禁の3つが主症状とされ、三徴候と呼ばれています。iNPHでは歩行障害が重要な症状で、最初に出る症状であることが多く、認知症が現れる他の病気と区別するポイントにもなります。先行する症状として歩行障害が見られ、認知症や尿失禁がともなってくる場合はiNPHの可能性が高まります。放置すると次第に寝たきりになります。「治る認知症」と呼ばれ高齢化に伴い最近注目されている疾患です。

1 歩行障害

 歩行が不安定になります。足が上げづらく、すり足になり、歩幅も小刻みになります。パーキンソン病と異なり、足を広げて歩くようになることが特徴です。特にUターンするときによろめきが強く転倒することがあります。障害が強くなると、第一歩が出ずに歩き始められなくなったり、起立の状態を保持できなくなります。三徴候のうち最も改善の得られる症状です。歩行障害が初期症状としてあらわれることが多いとされています。

2 認知障害

 当初は記憶障害よりも、自発性がなく、思考や行動面での緩慢さが目立ちます。日課としていた趣味や散歩などをしなくなるといったことが起こり、物事への興味や集中力をなくしてもの忘れも次第に強くなります。

3 尿失禁

 トイレが非常に近くなったり、我慢できる時間が短くなったりします。歩行障害もあるために間に合わなくて失禁してしまうこともあります。

 以上の3症状の特徴から、整形外科、精神科、泌尿器科に受診することも少なくなく、患者さんのみならず他科の医師にも啓蒙が必要と考えています。

画像診断

 診断はまずCTおよびMRIの画像を用いて行います。iNPHの場合特徴的な画像所見で、くも膜下腔の不均衡な拡大を伴う水頭症(DESH:disproportionately enlarged subarachnoid-space hydrocephalus)と呼ばれています。詳細にいうと、A) 脳室の拡大、B) 高位円蓋部脳溝、大脳正中部くも膜下腔の狭小化 C) シルビウス裂の拡大D) 脳溝の局所性拡大 E) 脳梁角の鋭角化、以上の5つをポイントにiNPHと診断します。

タップテストとは

 症状、画像診断からiNPHを疑った場合に行うもので、腰椎の間から過剰にたまっている脳脊髄液を30ml排除して症状の改善具合を観察する髄液排除試験(髄液タップテスト)が簡便な検査方法といわれています。この検査前の症状の程度と比べて、検査後の症状が一時的に改善すれば、手術(髄液シャント術)が有効であることが期待できます。

神経心理検査

 当院では認知障害の術前評価として、長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)、Mini Mental State Examination (MMSE)のほか、前頭葉機能評価として、TMT-AおよびB, Frontal Assessment Battery (FAB), 浜松式かなひろいテストを行っています。

治療について

 治療法は髄液シャント術という手術治療で、当院では脳室―腹腔シャント術または腰椎―腹腔シャント術の2つを行っています。前者は脳室、後者は腰部の脊髄周囲のくも膜下腔にチューブを入れて、そのチューブを皮膚の下を通してお腹の中に入れ、余分な脳脊髄液を吸収させるという治療法です。全身麻酔で行うのが一般的ですが、1-2時間程度で施行でき比較的侵襲の少ない手術です。手術治療により、症状の70~90%が改善します。

治療の効果

 一般的に、症状の改善率は歩行障害は60-77%、認知障害は56-69%、排尿障害は52%程度になると報告されています。手術後のiNPHの改善率は3-6ヵ月で39-81%、12ヵ月で63-84%、2年で69%、3-6年で60-74%程度に認められ、持続することが報告されています。しかしアルツハイマー型認知症(AD)、レビー小体型認知症などの疾患を合併することがあり長期成績はまだ十分に解明されていないのが現状です。現在ADを合併したiNPHに対する治療法について臨床治験が進行中です。

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